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DIYがご趣味と伺いました。
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昔からものづくりは好きでしたが、ヒカリでの仕事で設計に携わったこともあり、テレビ台や棚をつくったり、玄関先にパーゴラをつくったり、家の内外のDIYもできる範囲でいろいろとやっていて…。その延長でドールハウスをつくることになったんです。
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ドールハウス!それはどのようなきっかけで?
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次男のお嫁さんがドールハウスが好きだったのでプレゼントしようと思い、初めて挑戦してみたんです。これがなかなか大変で…構想に半月、製作に2ヶ月ほどかかりました。私は出来合いのもの、キットになっているものを組み立てるだけではなくて、一から構想を練って形にしていくのが好きなので、ドールハウスも色々調べて設計から完成まですべて一人で仕上げました。
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モノづくりにかける想いが伝わってきます。
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つくる過程というのは、モノづくりの醍醐味ですよね。いろんな考えを巡らせながら、設計図を描き、形にし始めるまでが私の一番好きな時間。積み上げていく過程が大好きなんです。ドールハウスの設計図もすべて残していますが、図面一つひとつが私の財産です。
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情熱を傾けたドールハウス第一号の仕上がりはいかがですか?
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完成した瞬間は、まさに感無量でした。週末や平日の早朝など、仕事の合間を縫って作業をして、試行錯誤しながらつくり上げていったので、プレゼントするときには惜しいなと(笑)。でも、お嫁さんにとても喜んでもらえたので、嬉しかったですね。
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ドールハウスということで、内装にもこだわったそうですね。
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そうなんですよ。ドールハウスの世界観を表現するために、テーブルやイスも一つひとつ設計図を描いてつくりました。窓やドアも単なる飾りではなく、ちゃんと開閉できるようにつくっているんですよ。シャンデリア風の照明も入れて、光の広がり具合も計算しています。
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細部までつくり込まれているんですね。そういった素敵なアイデアはどこから?
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DIYをしているYouTuberが結構いるので、その人たちの動画を見たり、ホームセンターへ行って、材料を吟味しながらイメージを膨らませたりしています。木材や工具などはホームセンターで調達することが多いですが、実は百均も素材の宝庫なんです。ドールハウスの屋根に使っているのは、百均で購入した手芸用の素材。丸くカットして、洋瓦風に仕上げました。また、照明を覆うガラス瓶も百均です。
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アイデアマンですね!他にはどんなものをつくっているんですか?
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スマホのスピーカーをつくりました。複数の木の板を重ね合わせてスピーカーにしているのですが、音が反響するような構造を考えました。何度か試作を重ねて、ようやく自分の思うような音が出るようになりました。充電コードを差したまま置けるものとか、スマホのホームボタンを押せるようにデザインしたものとか、10個ほどつくって親戚や知人にプレゼントしましたが、結構反応が良かったです。周りの人の反応も、モノづくりの楽しみの一つですね。
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ドールハウスづくりも続けているそうですね。
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第一号のドールハウス製作は本当に大変な作業でしたが、苦労した分手放すのは本当に寂しくて…(笑)。もう一つドールハウスをつくりました。今度はシンプルな無垢のログハウス風です。組み立て式のキットにしたので、一度組んだものをバラしても、また同じように組み立てができます。
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組立式ログハウスキットとありますね。キットにした理由はあるのですか?
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誰でも組み立てができる、初心者向けのものをつくりたかったんです。子どもでも楽しくできるようにと思って…。なので接着剤も釘も工具も使わずに、手軽に組み立てられるようなつくりにしています。
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このログハウスの工夫されたポイントは?
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釘や接着剤を使わない組み方です。例えば壁は、丸太に穴を開けて竹ひごを支えに積み上げていますし、ドアの取っ手も接着剤で貼り付けるのではなく穴にピンをはめ込んでいます。また、ユニークな点としては屋根。屋根の素材は、実はアイスの棒なんです(笑)。夏の間に家族で食べたアイスの棒を集めておいて、再利用しました。
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工具要らずで手軽にできるのはいいですね!販売のご予定は?
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ゆくゆくはキットとして販売できたらなと考えています。買ってくれた人が自由に色をつけるなどのアレンジが楽しめるように、あえて塗装をせずに無垢にしました。またログハウスの作り方を紹介する動画をYouTubeにアップする予定です。20分くらいありますが、よかったらチェックしてみてください!
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今後チャレンジしたいことはありますか?
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自宅の庭にある倉庫を作業場として活用しているのですが、もう20年くらい経って傷みが出てきているので、修繕して工房を充実させたいですね。工房が整ったら、DIY教室をやってみたい気持ちもあります。子どもたちに、こういう楽しみがあることを伝えたいなと思って…。普段の生活で木工に触れる機会もなかなかないと思うので、実際にノコギリを使って木を切ってみるとか、工具を使ってみるとか、そういう経験をして、一からつくる楽しみを感じてもらえたらと考えています。
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素敵です。それってヒカリの社員も参加できますか?(笑)
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もちろんですよ。マンション住まいの方とか、DIYをやりたくてもできない人は結構いると思うので、もし教室が実現したら、ぜひ参加してほしいなと思います。
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では、私たちDIY初心者へメッセージをお願いします!
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DIYはやったらやっただけ楽しみがあり、完成したときの達成感は格別!なので、まずは簡単なものから挑戦してもらったらいいかなと思います。最初から難しいものをつくろうとして、挫折してしまってはもったいないので、まずは一つ完結させることが大切。その先に喜びがありますから、ぜひチャレンジしてみてください。
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ありがとうございます。最後に、仕事についてもお聞かせください。
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私は現在資材部に所属しており、手配した部品や加工後の品物を揃える仕事をしています。その前は、10年ほど設計に携わっていました。現在の図面作成はすべてCADで行いますが、私が設計を担当していた頃は手描きでした。当時手がけた図面は今も社内に保管されていて、過去につくったものを再び使う場合や、壊れたためにつくり直すときなどに活用されることもあるのですが、そういったときはとても感慨深い瞬間です。